ピラティスは心身のバランスを整える運動として人気がありますが、時には頭痛を引き起こすことがあります。
原因を正しく理解し、適切に対処すれば、安心してピラティスを続けられます。
この記事では、ピラティス中やその後に起こる頭痛の主な原因と、症状別の対処法について詳しく解説します。
Contents
ピラティス中に頭痛が起こる主な原因とは?
ピラティス中に頭痛を感じる人は意外と多く、その原因は一つではなく、上記のような理由が考えられています。
ここでは、よくある4つの原因について詳しくご紹介します。
原因①:水分不足によって体内のバランスが崩れるから
水分不足は、ピラティス中の頭痛を引き起こす大きな要因のひとつです。
体内の水分が足りないと、血流が滞りやすくなり、脳に必要な酸素や栄養が届きにくくなります。
特に汗をかきやすい人や、レッスン前に水分をあまり取っていない人は注意が必要です。
こまめな水分補給を心がけることで、体内のバランスを整え、頭痛のリスクを減らすことができます。
原因②:運動に慣れておらず身体が過剰に緊張するから
ピラティス初心者の方によく見られるのが、筋肉に無意識に力が入りすぎてしまうケースです。
特に首や肩、顔周りの筋肉が強く緊張すると、血流が悪くなり、頭痛を引き起こしやすくなります。
慣れない動きに対して「頑張ろう」と意識しすぎるあまり、必要以上に力が入ることがあります。
最初は無理をせず、インストラクターの指示を聞きながらリラックスして行うことが大切です。
原因③:周囲の音や照明がストレスになっているから
ピラティススタジオの環境も、頭痛の引き金になることがあります。
強すぎる照明や、周囲の物音・音楽がストレスとなり、神経が過敏になってしまう場合があります。
特に静かな環境に慣れている人にとっては、刺激の多い空間が負担になることも。
そうした場合は、照明を落としたクラスを選んだり、アイマスクを使用したりするなど、自分に合った環境づくりを意識しましょう。
原因④:ピラティス前の食事や空腹状態が影響しているから
運動前の食事タイミングや内容も、頭痛に関係することがあります。
空腹のまま運動を始めると、血糖値が下がりすぎて頭痛を感じることがありますし、逆に満腹の状態では消化にエネルギーが使われて頭が重くなることもあります。
適度なエネルギー補給が重要で、バナナやヨーグルトなどの軽食を運動の1〜2時間前に取るのがおすすめです。
自分の体調に合わせて食事のタイミングを調整しましょう。
姿勢の乱れやフォームの崩れが頭痛を引き起こす4つの理由
ピラティスでは、正しい姿勢とフォームがとても重要です。
これらが崩れると、身体への負担が偏り、頭痛につながることがあります。
ここでは、姿勢やフォームの乱れによって起こる頭痛の原因を4つご紹介します。
理由①:首や肩に余計な負担がかかる姿勢になっているから
ピラティスの動作中に首を前に突き出したり、肩が上がった状態が続いたりすると、首や肩に過剰な緊張が生じます。
この状態が続くと、筋肉が硬直し、血行不良になって頭痛を引き起こすのです。
特に仰向けやうつ伏せの姿勢では、頭の位置を正しく保つことが大切です。
インストラクターに確認してもらいながら、自分のフォームを丁寧に見直していきましょう。
理由②:体幹が安定せず全身のバランスが崩れるから
体幹が不安定なまま動作を行うと、必要以上に他の部位に力が入ってしまいます。
その結果、首や肩、背中に負荷が集中し、筋肉のこわばりが頭痛を招いてしまうんですよ。
体幹を安定させるには、腹部や背中の深層筋(インナーマッスル)を意識して使うことがポイントなのです。
呼吸と動きを連動させながら、安定した姿勢を保つトレーニングを積み重ねましょう。
理由③:無意識に力みが入ってしまい筋緊張が起こるから
頑張ろうとするあまり、肩や首に無意識の力みが入ってしまうことは珍しくありません。
この力みが続くことで、筋肉が収縮し、神経が圧迫されて頭痛を感じることがあります。
「力を抜く」ことは意外と難しいですが、練習を重ねるうちに少しずつ感覚がつかめてきます。
意識的にリラックスする時間を作り、身体の余分な緊張を手放していきましょう。
理由④:骨盤や背骨の歪みが首に影響を与えるから
骨盤や背骨の歪みは、全身の姿勢バランスに大きく影響します。
特に骨盤が傾いていると、その上にある背骨や首にも歪みが伝わり、首の筋肉が緊張しやすくなります。
ピラティスは骨格の調整にも有効ですが、自己流で動いていると逆効果になることも。
自分の身体の癖を知り、必要に応じて専門家の指導を受けながら正しい姿勢を身につけていくことが重要です。
呼吸法が原因?ピラティスと酸欠による頭痛の関係
ピラティスでは呼吸が非常に重要な役割を果たしますが、呼吸がうまくできていないと酸素不足になり、頭痛の原因になることがあります。
ここでは、呼吸に関連する4つの原因について見ていきましょう。
浅い呼吸で酸素が十分に取り込めないから
浅い呼吸が続くと、肺に取り込める酸素量が減り、脳への酸素供給も不十分になります。
その結果、頭がボーッとしたり、頭痛を感じたりすることがあるのです。
ピラティスでは胸式呼吸を使いますが、最初はうまくいかない人も多いです。
自分の呼吸が浅くなっていないか、常に意識しながら動くことで、酸素をしっかり取り込むことができます。
無意識に息を止めるクセがあるから
動作に集中しすぎると、息を止めてしまう人も少なくありません。
息を止めると血圧が急上昇し、頭に強い圧がかかって頭痛を引き起こす場合があります。
特に力のいる動作やバランスを取るときに起こりやすいため、「吸って吐いて」を意識して呼吸を止めないように心がけましょう。
テンポのゆったりした動きから始めるのも効果的です。
正しい呼吸リズムを保てず脳に負担がかかるから
呼吸がバラバラだったり、速すぎたり遅すぎたりすると、自律神経が乱れて頭痛を感じやすくなります。
脳に送られる酸素や血流のリズムも不安定になり、結果的に不調を引き起こすことがあります。
ピラティスでは「動きに合わせた呼吸」が基本です。
まずは呼吸に集中して、ゆったりとしたリズムを身につけることが、頭痛予防への第一歩となります。
横隔膜がうまく使えていないから
呼吸の質を高めるには、横隔膜をしっかり使うことが大切です。
横隔膜がうまく動いていないと、呼吸が浅くなりがちで、酸素供給が不足してしまいます。
横隔膜を意識した呼吸は、お腹の内側から膨らませるようなイメージで行いましょう。
鏡の前で練習したり、指導者のサポートを受けながら取り組むことで、自然と呼吸の質が高まります。
筋肉の緊張や首こり・肩こりが影響するケースとは?
ピラティス中やその後に頭痛を感じる原因として、筋肉の緊張や首・肩こりの影響も無視できません。
ここでは、日常生活や運動中の筋肉の使い方がどのように頭痛に関係するのか、具体的な4つのケースをご紹介します。
長時間のデスクワークによる慢性的な肩こりがあるから
長時間のパソコン作業やスマホの使用などによって、肩や首の筋肉が硬直している人は多いです。
この状態でピラティスを行うと、すでに疲労が溜まった筋肉にさらに負荷がかかり、頭痛を引き起こしやすくなります。
特に、肩甲骨周辺や首の付け根がガチガチになっていると、血流が滞って酸素不足が起こることもあります。
日頃から軽いストレッチや肩回しを習慣にし、肩こりの根本改善を意識しましょう。
ピラティス中に首を支える筋肉が過剰に使われるから
ピラティスの中には、仰向けで頭を持ち上げるような動きがありますが、このときに首を支える筋肉が過剰に使われると、筋肉疲労を起こして頭痛の原因になります。
本来は腹筋を使うべき動作でも、腹筋が弱いと無意識に首の力で代償してしまうことがあります。
首の負担を減らすには、タオルを敷いてサポートする、首の角度を調整するなどの工夫が必要です。
ストレッチ不足で筋肉が硬くなっているから
日常的に身体を動かす機会が少ないと、筋肉はどんどん硬くなり、血行も悪くなってしまいます。
この状態でピラティスを始めると、筋肉がうまく伸び縮みせず、余計な力が入りやすくなり、結果として頭痛が起こることがあります。
レッスン前後のストレッチは、単なる習慣ではなく、身体を整えるための大切な準備・整理運動です。
柔軟性を高めることで、頭痛のリスクも大きく軽減されます。
目の疲れが肩や首の筋肉に影響を及ぼすから
目の疲れ(眼精疲労)は、意外にも首や肩の緊張と密接に関係しています。
長時間の画面作業などで目が疲れると、無意識に姿勢が崩れたり、首を前に出したりすることで、筋肉に余計な負荷がかかってしまいます。
こうした状態でピラティスを行うと、頭痛の引き金になることも。
レッスン前には目を休める時間を作り、ブルーライトを避けるなどのケアも心がけましょう。
症状別に見る!ピラティス中や後に頭痛がする時の対処法5選
頭痛が起こったときは、症状の強さや原因に応じた適切な対処が大切です。
ここでは、ピラティス中・後の頭痛に対して効果的な対処法を5つご紹介します。
対処法①:運動中にズキズキ痛む場合はすぐに中止すること
頭痛がズキズキと強く感じられるときは、無理に続けるのは危険です。
そのまま運動を続けると、症状が悪化したり、他の体調不良を引き起こす恐れがあります。
異変を感じたらまずはピラティスを一旦休み、水分を補給しながら安静にしましょう。
原因がわからない場合は、体調の変化を記録しておくと、後々の対策にも役立ちます。
対処法②:軽い頭痛なら水分補給と深呼吸で様子を見ること
軽い頭痛であれば、脱水や呼吸の乱れが原因である可能性が高いため、まずは水分を補給し、ゆっくり深呼吸をしてみましょう。
特に胸を大きく開く呼吸を意識することで、酸素がしっかりと脳に届きやすくなります。
数分間リラックスして様子を見ることで、症状が和らぐことも多いです。
対処法③:頭や首を冷やして炎症を抑えること
炎症が原因で頭痛が起きている場合は、冷やすことで症状が緩和されます。
保冷剤や冷たいタオルを使って、首の後ろやこめかみを冷やすと効果的です。
ただし、冷やしすぎには注意が必要ですよ。
肌に直接当てないようにタオルなどで包み、5〜10分程度を目安に使用しましょう。
対処法④:ストレッチやマッサージで筋肉の緊張を和らげること
筋肉のこわばりが原因で頭痛が起きている場合は、ストレッチやマッサージで緊張を解くのが有効です。
肩を回す、首をゆっくり倒す、肩甲骨を寄せるなど、簡単な動きでOKです。
マッサージは、首の付け根や肩の盛り上がった部分を指で優しく押すだけでも十分。
無理なく心地よい範囲で行いましょう。
対処法⑤:数時間経っても改善しない場合は医師に相談すること
頭痛が長引く、頻繁に起こる、いつもと違う痛みがあるといった場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。
思わぬ病気が隠れている可能性もあるため、専門機関での検査を受けることが安心につながります。
ピラティスに限らず、運動によって頭痛が起こる場合は、身体からのサインかもしれません。
その声に耳を傾け、無理せず対処していきましょう。
頭痛を防ぐために見直したいピラティス前後の習慣
ピラティスによる頭痛を予防するには、レッスン中の動きだけでなく、前後の過ごし方にも意識を向けることが大切です。
ここでは、頭痛を未然に防ぐために取り入れたい5つの習慣をご紹介します。
レッスン前に十分な水分を取ること
運動前の水分補給は、頭痛予防の基本です。
水分が不足していると、血流が悪くなり、脳への酸素供給が滞って頭痛の原因となります。
特に朝のレッスンでは、寝ている間に失った水分を補う意味でも、コップ1〜2杯の水を飲んでおくと安心です。
冷たい水より常温の水や白湯のほうが身体にやさしくおすすめです。
無理のないスケジュールで疲労をためないこと
ピラティスはリフレッシュ効果の高い運動ですが、過度な疲労がたまっている状態で行うと、かえって体調を崩すことがあります。
睡眠不足や忙しすぎるスケジュールの中で無理にレッスンを入れるのは避けましょう。
身体が疲れていると、姿勢が崩れたり、集中力が切れて呼吸が浅くなったりして頭痛を引き起こしやすくなります。
体調に合わせて「今日は軽めに動こう」と調整することも大切です。
軽いウォームアップで身体を温めること
いきなり本格的な動きを始めるのではなく、レッスン前には軽いウォームアップで身体を目覚めさせましょう。
身体が冷えたままだと筋肉が硬く、動作中に無理な力がかかって首や肩に負担がかかってしまいます。
簡単な肩回しや背伸び、首のストレッチなどで血流を促すだけでも、頭痛予防に効果的です。
「ほぐしてから動く」を習慣にしてみてください。
クールダウンを丁寧に行って緊張をほぐすこと
レッスン後のクールダウンは、運動で高まった緊張を和らげ、心身をリラックスさせる大切な時間です。
呼吸を整えながら、ゆっくりと身体を伸ばすことで、筋肉のこわばりを防ぎ、頭痛を予防できます。
特に首や肩まわりのストレッチは丁寧に行い、緊張が残らないようにしましょう。
レッスン後は急いで帰らず、数分でもいいのでクールダウンの時間を確保してください。
呼吸法の練習を日常的に取り入れること
ピラティスでは呼吸が非常に重要ですが、普段の生活でも呼吸法を意識することで、身体全体の緊張が緩みやすくなります。
浅い呼吸になりがちな現代人にとって、意識的に深く呼吸することは心身のバランスを整える有効な手段です。
数分間の呼吸練習を習慣にするだけでも、頭痛の起こりにくい身体づくりにつながります。
通勤中や就寝前など、スキマ時間に取り入れてみましょう。
ピラティスで頭痛がする原因についてまとめ
ピラティスによる頭痛は、運動中の姿勢や呼吸、筋肉の緊張だけでなく、日常の習慣やスタジオ環境など様々な要因が関係しています。
原因をひとつずつ見直し、適切に対処することで、頭痛のリスクを大きく減らすことができます。
無理をせず、自分のペースでピラティスと向き合うことが何より大切です。
正しい知識と習慣を身につけ、心地よいレッスン時間を楽しんでくださいね!